さくらんぼ品種開発の歴史

博士、サクランボの品種について教えてください。
サクランボの品種について解説する前に、その歴史をまず説明しようかの。少し長くはなるが、品種開発の歴史について解説しよう。

サクランボが日本で栽培されるようになってから約150年

日本にサクランボ(生食に向く、甘果オウトウ・酸果オウトウ)が導入されたのは、明治5年(1872年)アメリカ人の北海道開拓総顧問ケプロン氏による。

それ以前に導入された中国産のシナノミザクラの栽培は日本ではうまく行かなかった。

アメリカから導入された、甘果オウトウ・酸果オウトウをベースに、日本では独自の品種開発が行われ現在に至っている。

明治5年(1872年)サクランボ日本上陸

明治5年に導入された25品種のうち人気を博したのは次のような種類

ロックポートビガロ 高砂(たかさご)

短心臓形で大きさは中位(5~6g)。皮は淡赤色。甘味多く、品質が良い。核が大きく、果肉がやわらかい。

ガバナーウッド(黄玉)

文字通り黄色いサクランボ。酸味成分が少なく甘みが強い。

アーリーパープルギーヌ(日の出)

黒いサクランボ。熟すととても甘い。アントシアニンが多く含まれる。

ナポレオン (那翁)

ヨーロッパで古くから栽培されている品種。

長心臓形で大きい。皮は黄色地に紅色の斑。大きさは中位(6~7g)

果肉厚くて硬く多汁。芳香に富んでいて、通好みの食味である。

日本のサクランボを支える基礎となった名品種。

※当時の交通インフラを考えるとまだ生食用に全国に出荷することは出来ず、生食用には地産地消。出荷用には缶詰に加工するのがメインだった。

北光(ほっこう)……初の日本オリジナル品種

ここでついに、日本初のサクランボ品種が誕生するのじゃ。

北光、またの名を「藤野」「水門」

明治44年(1911年)に北海道小樽市の藤野農園で偶発実生として発見された品種。

お尻の部分がややとがった短いハート形。皮は黄色い地色に濃い赤色。少し大きい(7g)果肉はやわらかめで糖度が高い。適度に酸味もある。雨による裂果が少ない。

現在は、北海道と青森県でのみ栽培されている。

佐藤錦(さとうにしき)……サクランボ界の革命児

そしてついに、例の奴が現れる

佐藤錦

「サクランボの王様」「赤いルビー」とも呼ばれる品種

果実は短心臓形。大きさは6グラム程度。皮は薄く、黄色い地色に赤色。果肉は比較的軟らかで乳白色。糖度18度ほどの天さと、程よい酸味。糖度18度ほどの天さと、程よい酸味。

大正元年(1912年)発見。

山形県東根市の佐藤栄助氏が、「黄玉」×「ナポレオン」を交配させて誕生させた。

苗木商人:岡田東作氏の協力により、15年かけて苗木を完成させた。

当時は品種登録と言う概念そのものが存在しなかったが、そういった中昭和3年(1928年)、岡田東作氏が自身が運営する中島天香園(東根市)より、「佐藤錦」と命名して苗木を売り出した。

生食用が主体となった昭和50年代以降植栽が増え、現在の作付け面積で70%程を占めるに至っている。サクランボと言えば「佐藤錦」と言うぐらい全盛を誇っている。

 

しかし「佐藤錦」には欠点もある

それは、

  1. 完熟と熟れすぎまでの期間が短い……収穫期間が短い。
  2. 完熟するとすぐに熟れすぎ劣化する……日持ちしない。
  3. 皮が薄く実が柔らかく傷つきやすい……遠くへの輸送に難がある。
  4. 佐藤錦の栽培割合が高く、収穫期間が集中・・・・冷蔵保存も効かない。

※だからサクランボは高級品になってしまう。安価で入手できるのは産地に住んでいる人だけになってしまう。

だから生産者は「佐藤錦」についてこう思っている

  1. 佐藤錦は柔らかすぎるから、傷みやすく劣化しやすい。
  2. 佐藤錦は日持ちが悪い。扱い辛い。
  3. 佐藤錦の大きさがやや小さく食べ応えが無い。
  4. 佐藤錦は収穫期が短期過ぎるから、人手不足もあって最適期に収穫しきれない。……佐藤錦の割合を下げて、無理のない栽培体系を構築しないと人手不足と高齢化に対応できない

「佐藤錦」の欠点を補うには

  1. 実や皮を少し硬めに日持ちを良くしたい。日持ちを良くしたい。
  2. 過熟になりやすい弱さを克服したい。
  3. 実の粒を大きめににして、食べ応えを良くしたい。
  4. 収穫期が長く6月下旬から7月上旬以降に収穫できるように改良したい。

そこで、サクランボの品種開発が試みられた

その歴史を時系列で述べていこうと思う。ただ、開発年と品種登録年が前後する場合がるので、出来るだけ開発年をベースに説明する。また、個人の農園で作られた品種には偶然発生種も多くそのルーツを正確に記載できないものもあるのでご容赦いただきたい。

 

絢のひとみ……福島県でも品種開発

明治19年(1986年)

福島市飯坂町菅野但夫氏が、「佐藤錦」×「ナポレオン」の交配で、選抜した大玉品種。

心臓形、果重は10gと佐藤錦より大きい。皮は黄色地に鮮明な赤黄色。果肉は乳白色で果肉は硬い。甘味多くて酸味は少くい。果汁は多い、渋味、苦味は無い。

 

ダイアナブライト

明治21年(1888年)品種登録

「ナポレオン」「佐藤錦」「ジャボレー」等の混植園から採取した種子のが発芽した物の中から選抜したもの。

形は心臓形。大きい(11~12g)果肉は乳白色。収穫時期が「佐藤錦」よりやや遅い。

 

南陽(なんよう)

昭和32年(1957年)開発、昭和53年(1978年)品種登録。

山形県立農業試験場置賜分場(南陽市宮内)で、ナポレオンの自然交雑実性から選抜した。

開花期が最も遅い部類。受粉樹の種類が少なくなるので、結実の悪さが難点。

形は短心臓形。大玉(8~10g)皮色は黄色地に淡紅色。日が当たらないと赤くならない。果肉は黄白色で硬い。

 

天香錦(てんこうにしき)……果肉が硬い

昭和35年(1960年)発見。命名は昭和40年(1965年)

長瀬運吉氏の庭先で、武田竹三郎氏が発見した偶発品種。

皮は鮮紅色。果肉は固くサクサクした食感……果実の日持ちが非常に良い。甘味は多い。酸味は少ない。降雨による裂果が発生しやすいのが難点。

 

香夏錦(こうかにしき)……福島県産の2種類目

昭和43年(1968年)開発。昭和59年(1984年)に品種登録。

福島県伊達市の佐藤正光氏が、「佐藤錦♀」×「高砂♂」の交配した種から選抜育成。

実は短心臓形。中玉(6g)皮は黄色赤斑。果肉は乳白色、肉質は軟らくて果汁が多い。甘みが多い。酸味は少ない。

 

夕紅錦(ゆうこうにしき)

昭和46年(1971年)に採取した「佐藤錦」×「ナポレオン」の種から選別を繰り返して、昭和55年(1982年)に1本に決定。

昭和63年(1988年)品種登録。

山形県寒河江市の菊地堅治郎氏が開発。

実は心臓形。中玉(6g)皮は帯赤黄斑色。果肉の色は乳白色。やや硬い。甘みは中。酸味は少ない。果汁は多い。

 

マドンナの瞳(ひとみ) ……ナポレオンの亜種

昭和50年(1975年頃)ナポレオンの枝変わりの突然変異から育成。

平成6年(1994年)品種登録。

山形県東根市の斎藤善雄氏が開発。

実は心臓形。大玉。皮色は帯朱紅。果肉は乳白色。果肉が軟らかい。果汁が多い。甘みは中位。酸味は少ない。

実の形や、酸味の少なさ、成熟期の早さから「ナポレオン」と区別されている。

 

正光錦(せいこうにしき)……福島県産の3種類目

昭和52年(1977年)、香夏錦の種から偶発的に発見。

昭和62年(1987)に品種登録。

福島県伊達市の佐藤正光氏が開発。

実は短心臓形。やや大玉(7.4g) 皮は黄色赤斑。果肉は乳白。肉質はやや硬い。果汁多い。甘みは多。酸味少ない。早生種。

 

紅秀峰(べにしゅうほう)……ポスト佐藤錦の最右翼

昭和54年(1979年:アメリカンチェリー初輸入の翌年)開発開始。

平成3年(1991年)に品種登録

「佐藤錦♀」×「天香錦♂」の交配して得ら種から選抜育成↓。

山形県立園芸試験場(現山形県農業総合研究センター園芸試験場:寒河江市島町)が開発。

実は扁円形(短心臓形をやや横に長くした形)大玉(8~9g)皮は黄色の地に鮮紅色。果肉は黄白色。肉質は硬い。甘みは極めて多い。日持ちが良い。7月に収穫する晩生種。欠点は実が着きやすが霜に弱い。

ポスト「佐藤錦」としては抜きんでた品種。

山形県大失敗

多大な労力を掛けてポスト「佐藤錦」最右翼の品種を開発したが、制限を設けず自由に販売してしまったため、韓国や中国でも無断栽培されるなど、その開発元の山形県に恩恵が少なかった品種となってしまった。この大失敗が品種開発とロイアリティについての関連性を見直す機会になった。

 

紅さやか・・・果肉も赤い品種

昭和54年(1979年:アメリカンチェリー初輸入の翌年)開発開始。

平成3年(1991年)品種登録

山形県立園芸試験場において開発。「佐藤錦♀」×「セネカ♂」の交雑品種。

実は短心臓形。早生種の中では大きい(6g)皮は帯朱紅色から紫黒色。色が濃いほど糖度が上がる。果肉の色は赤で着色はやや濃い。硬さは中位。果汁多い。甘味は中位。酸味は少ない。酸味とのバランスが良い。食味について評価は低い。果肉が赤いのでジャムやサクランボ酒に加工しても美味しそうな色合いになる。

早生種。佐藤錦の受粉樹としても優秀。

 

紅ゆたか

昭和55年(1980)開発開始

平成12年(2000年)品種登録

山形県園芸試験場において開発。「ビック♀」と×「C21-7♂」の交雑品種。

実は短心臓形。大玉(10g以上)皮の色は帯朱紅。果肉は硬く、色はクリーム色。糖度20度以上、極めて甘い。果汁が多い。極晩生種。

 

紅てまり

昭和55年(1980)開発開始

平成12年(2000年)品種登録

山形県園芸試験場において開発。「ビック♀」×「佐藤錦♂」の交雑品種。

実は短心臓形。大玉(10g以上)皮の色は帯朱紅。果肉は硬くリーム色。糖度は20度以上で甘く、果汁も多い。糖度20度以上、極めて甘い。極晩生種。

 

紅夢鷹(べにむたか)……佐藤錦の亜種

昭和58年(1983年)開発開始。

平成18年(2006年)品種登録。

山形県東根市の烏久芳氏が、佐藤錦の自然交雑種子から開発。

実は短心臓形。やや大玉(8~10g)皮色は帯赤黄斑。果肉はクリーム色。果肉の硬さは中位。果汁多い。甘み多く、酸味は少ない。

佐藤錦と比較して、枝梢の色が赤褐であり、核の形が円であることで区別される。

 

紅きらり……受粉樹を必要としない変わり種

平成元年(1989年)開発開始。

平成20年(2008年)品種登録。

山形県園芸試験場において開発。「レーニア♀」×「コンパクトステラ♂」の交雑品種。

極珍しい「自家和合性」の品種で、自分の花粉だけでも結実する。

実は心臓形。中玉(8~9g)皮の色は帯朱紅。果肉はクリーム色。硬さは中。果汁は多い。甘みはやや多い。酸味は少ない。

 

大将錦(たいしょうにしき)

平成2年4月(1990年)種苗法登録品種第2216号として品種登録。

山形県上山市の加藤勇氏園において、ナポレオン、佐藤錦、高砂の混植園で発見された偶発品種。

形は短心臓形。大玉(10g)果肉は硬い。外観が良く、着色が鮮やか。果肉は硬い。果汁やや多い。甘味が多い。酸味少ない。晩生種だが収穫数量少いのが難点。

 

山形美人……佐藤錦の亜種

平成10年( 1998年)品種登録

山形県の天野高行氏が「佐藤錦」の突然変異枝を見つけ、㈱天香園が種苗法品種登録した。

果重、果形、食味は「佐藤錦」と同じ。皮の着色は「佐藤錦」より濃い。縫合線だけが着色しないため白い糸が入ったように見える。

 

静御前(しずかごぜん)……福島県発の4種類目

平成25年(2013/10/02)品種登録。種苗法登録の品種。

福島市飯坂町菅野但夫氏が「絢のひとみ♀」×「佐藤錦♂」を交配選抜した品種。

形は心臓形。大玉(8~9g)、皮は黄色地に鮮明な紅色。果肉は乳白色。肉質はやや硬く核が小さい。甘味多い。酸味少ない。日持ちがよい。

 

甲州ルビー……山梨県のオリジナル品種

平成27年(2015年)品種登録。

「紅てまり♀」×「豊錦♂:極早生品種」の交雑品種。

山梨県でのみ栽培可能な品種。

生産量第3位の山梨県の挑戦が始まったといえるのう。
博士、なぜ山梨県でのみ生産できる品種にしたんですか?
それはじゃの、開発には多大な年数と労力がかかるからじゃ。元が取れる前に苗だけ買っていってホイホイ作られたら、開発はボランティアみたいなものじゃろうて。音楽や書籍でも版権と言うものが有ろう。それと同じじゃ。山梨県が労力を掛けて開発したものを、他県や、他国が勝手に作ってしまったら困るじゃろう。「山梨県のサクランボは山形県産にも劣らないんですよ」という商品として開発したわけじゃからの。

ブレークタイム:完成品だけかすめ取る困った奴ら

品種開発はどれくらい大変なんですか?

まず、サクランボは受粉樹が別種類でないと結実しないのは知っておるの!! 例えば「佐藤錦」に「ナポレオン」の花粉で受粉して実がなったとする。そうすると果肉は「佐藤錦」になるが、種は「佐藤錦」と「ナポレオン」のハイブリッド……つまり雑種になるわけじゃ。

じゃ、その種が発芽しても「佐藤錦」にはならないのですね。

その通り。その性質を利用して品種開発をするのじゃ。それは大変な作業じゃぞ。

 

品種開発には、多大な労力と年月がかかる

仮に「佐藤錦」に「A」という品種をかけ合わせて種を作ったとする。その雑種の種が発芽する場合と発芽しない場合がある。発芽したとして、実がなるまで数年かかる。技術の進歩で期間を短縮したとしてもそれぐらいはかかる。そこで初めてその雑種が良い品種かどうかを見極める。一度の交配で結果が出るまでに数年を要するのだ。まぁ、大概は基の品種より劣る物しか生まれない。そしてたまたまうまく行った雑種の中から、これはという果樹1本を選別育成して新品種の原木とする。それを品種登録するわけだ。サクランボは挿し木では増やせないので、桜などの苗木を台木として接ぎ木で増やす。そういうプロセスを経てやっと世に出るのが新品種と言うわけじゃ。特にサクランボに限ったことではないが農作元の品種開発はそれに携わる人の情熱と努力の結晶じゃ。なのにじゃ・・・

ぶどうの「シャインマスカット(農研機構果樹研究所)」や「ルビーロマン(石川県)」。みかんの「みはや(農研機構果樹研究)」「あすみ(農研機構果樹研究所)」。イチゴの「とちおとめ」さつまいも「紅はるか(農研機構果樹研究所」「安納芋(鹿児島県農業開発総合センター熊毛支場)」などの品種、各種ブランド米などが、韓国や中国に流出して、無断で栽培され大きな問題になっている。サクランボに関しても、山形県が総力を挙げて開発した「紅秀峰」が韓国や中国で無断で栽培され、輸出までされているのが現実

です。

完成品だけ盗み出して、量産すれば、開発コストを回収する必要が無いので、価格的に開発元よりも安く提供できる。こんな泥棒のような話は無いのではないか?同じ東アジアでも台湾はそういう事をしないのに……。

事、韓国に至っては、日本産のブランドいちごを自国で複数交配し(もともとの品種にロイアリティを払わず)、別ブランドにすることで「雪香(りんしゃん)」を生み出した。元の品種開発に比べてなんと労力がかかっていない事か?そして、こちらには特許権を設定して防衛するなど、悪質甚だしい。日本は品種登録はしていても、商標登録はしていないだろうという屁理屈をこねている。品種は日本で開発したのだろうが、韓国国内で商標登録したのは自分達だから、自分たちの権利があるという主張を恥もなくするわけだ。

日本では「品種登録」された名称は、「商標登録」出来ないという事を知らないのだろうか?これはどの法治国家でも同じ事。

別に農作物に限ったことではない。半導体や自動車、醤油に至るまで、隣国の完成品だけかすめ取る悪癖はもはや未開野蛮の所業。日本が「もう教えません」「もう貸しません」「もう技術協力しません」と突っぱねてしまっているので、過去にかすめ取った技術はもう既に古くなり、特に半導体や自動車は韓国製品は競争力を失いつつある。自分で開発する能力がないから……。中国は自分で追加開発するので、やや厄介。

日本の優れた品種開発の能力が、隣国に狙われている。

日本も、2020年の改正種苗法を皮切りに、防衛策に打って出ている。

話題を元に戻そう

 

やまがた紅王

平成 9 年 (1997年)開発開始。”山形C12号”

令和2年(2020年)3月に品種登録。名称を公募して決定。

令和5年(2023年)より全国発売開始予定。輸出用サクランボとしても計画している。

山形県(農業試験場ではなく県として)が開発。

「♀紅秀峰×♂」×C-47-70(レーニア×紅さやか)

もはや姫リンゴと言えるほどの大玉。直径約3cm(3L4L)皮が硬いので日持ちする。糖度20以上、酸味控え目。

紅秀峰で失敗した山形県が総力を挙げて開発し、流失の防衛を図っている。

現在、山形県外での栽培は禁止。県内でも生産者登録のない個人への苗木の販売はしていない。

でも、隣国はそれを承知で盗みに来るかもしれないので、国としての強烈な防衛策が待ち望まれる。

 

番外編:その他の品種

 

月山錦(がっさんにしき)・・・果皮が黄色

山形県の出羽三山の月山とは関係ない。

中国大連あたりでで育成された品種。中国より導入した有望最新品種。

実は心臓型。大玉(12~15g)皮は明るい黄色。果肉は硬く軟化しにくい。糖度20以上と甘い。酸味少ない。黄色い皮、こすれると茶色に変色するのが難点。

 

高陽錦(こうようにしき)

山形県寒河江市の高橋庄次郎氏が佐藤錦とナポレオンの混植園で偶然発見。

形は短心臓形。大玉(9~12g)皮は黄色地に鮮紅色。果肉は乳白色で硬い。果汁多い。甘酸適和で食味良く濃厚。

 

黒砂糖錦……佐藤錦の亜種

佐藤錦の枝変わりとして発見された品種。濃赤色に着色し黒砂糖のように甘い品種。

形、大きさは佐藤錦と同じ。全面に濃赤色に着色。果肉は佐藤錦よりやや硬く、熟度が進んでも軟化が少ない。甘味が強い。

 

さおり……山梨県発の品種……高砂の亜種

山梨県塩山雨宮正明氏が高砂の枝変わりとして発見育成。

極珍しい「自家和合性」の品種で、自分の花粉だけでも結実する。

果形は短心臓形。大玉。皮は黄色赤斑。高砂より硬い。果肉の色はクリーム色。

 

さくら姫

山形県東根市藤助新田で発見された大玉の早生種。

形は純心臓形。大玉(9~13g)色は黄色の地に紅色。果肉は黄白色。肉質は硬い。果汁多い。甘い。酸味が少ない。

 

サミット

カナダで育成された品種。

形は心臓形。大玉(11~12g)皮は濃赤色で光沢があり。糖度高い、酸味少ない、味は濃厚。

 

大桜夏……青森県だって頑張ってる

青森県でナポレオンの混植園で発見。

形は短心臓型~扁円形。極大玉(13~15g)皮は鮮紅色。糖度は17~18%、酸は少ない。

 

ジュノハート……青森県の力作

青森県が研究開発に24年を費やして開発

「紅秀峰♀」×「サミット♂」の交雑種。

やまがた紅王と同様に大玉、500円硬貨より大きい。

実は心臓型。皮色は赤い。実は固い。強い甘味と絶妙な酸味。種と果肉があっさり分かれる。

 

以上、サクランボの品種開発について時系列に沿っての解説じゃった。サクランボの品種開発はそれに携わった人たちの血と汗と時間と運の集積なのじゃという事じゃ。
今。美味しいサクランボが食べれるのも、そういった人たちの力があってこそなんですね。

まとめ

山形さくらんぼのシンボル・20世紀最高の品種と絶賛されえる佐藤錦は誕生から100年以上たった。
さくらんぼは初期の缶詰用の栽培から、チクロショックを経て、宅配便の誕生とともに生食用の需要に変わった。
佐藤錦が全国的に知名度が高まり、産地ではサクランボ栽培の全体に占める割合が70%以上にもなっている。

佐藤錦は生食用としては他を寄せ付けない圧倒的な支持と人気を得ているが、佐藤錦に品種が集中したことで、短い収穫適期に収穫しきれないという現状がある。

そこで佐藤錦に勝るとも劣らない新品種の開発の歴史がある。

中性種の佐藤錦の前後に早生・晩生の大粒で日持ちのよい品種を育て、無理のない栽培体系を構築する必要があった。それが人手不足と高齢化への対応となる。

ポスト佐藤錦の最右翼はやはり紅秀峰でしょうか?その他の新品種に対しての期待も大きいです。

いずれにしても、日本のサクランボを世界に冠たるブランドに育て上げていくべき。西欧の真似から始まり、日本独自の品種を育成し、地産地消から全国へと販路を伸ばした先に有るのは、世界戦略かもしれません。「サクランボは既に果物業界にいない。高級品業界に居るのだよ。」そんな時代が来るかもしれません。

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