さくらんぼ雑学 そもそもサクランボって何?
そもそもサクランボって何?
サクランボは桜桃の実
サクランボは「桜桃」の木の実の事を言う。正確にはサクランボの木ではなく「桜桃の木」なのじゃ。桜桃の果実の呼び名が「サクランボ」と言うわけなのじゃ。
桜桃は、バラ科・サクラ属・サクラ亜属・ミザクラ類の落葉広葉樹。桜の木の親戚じゃ。
植物としての果樹の名前は「桜桃」、その果実のことを「サクランボ」と言うのだよ。
屁理屈を言う様じゃが、「サクランボの木」というのは存在しない。「桜桃」の木の果実が「サクランボ」なのじゃ。
「桜の子供」⇒「桜の坊」から転じて「サクラノボウ」⇒「サクランボ」と呼ぶようになったという事じゃの。
日本では明治維新の頃に輸入された外来の植物じゃ。
サクランボの原産地
サクランボの原産地は大きく分けて2か所。系統として分けると3種系統あるのじゃ。
その3つについて解説しよう。ここからは真面目に話すわい。
ヨーロッパ系
■甘果オウトウ
名称 | 別名 | 学名 |
甘果オウトウ | 西洋実桜 (セイヨウミザクラ) | Prunus avium |
●現在の日本のサクランボの主流。生食用の果物。
原産地:イラン北部からヨーロッパ西部にかけての山地。
特徴:冬の降雪などの寒さを越さないと(休眠出来ないので)実が着かない。
■酸果オウトウ
名称 | 別名 | 学名 |
酸果オウトウ | 西洋酢実の実桜 (セイヨウスミノミザクラ) | Prunus cerasus |
●生食用には適さない、料理や加工食品として用いる。
原産地:黒海からトルコのイスタンブール辺りにかけて
特徴:色は真っ赤で美味しそうですが酸っぱくてとても生では食べられるしろものではありません。
ヨーロッパやアメリカで生産され、缶詰やジャム、お酒等に加工されるのが通常。
日本ではほとんど生産されていません。
東南アジア系
■中国オウトウ
名称 | 別名 | 学名 |
中国オウトウ | 支那の実桜 (シナノミザクラ)唐実桜(カラザクラ) | Prunus Pseudocerasus |
●日本では、暖地桜桃という商品名で苗木が販売されています。
原産地:中国の揚子江流域。前漢時代(紀元前206年~8年)から食べられていた記録が残っています。
特徴:耐寒性に欠ける品種で、開花が桜よりも早く、実は柔らかく小さい。
日本では、果実は商品としては流通していません。
日本のサクランボは世界最高品質
現在日本で生産されているサクランボの中で一番多いのが「佐藤錦」
日本のサクランボには先人たちの壮大な品種改良の歴史があって、1910年(明治43年)に「北光」という日本オリジナル品種を開発して以来、その品質は向上し、原産地の物とは既に別物と言っていいレベルです。世界的に見ても日本のサクランボは高品質の果物となっています。
ひと昔前にアメリカンチェリーの輸入が解禁になって、「日本のサクランボが低価格な輸入物に駆逐される」と生産者は恐れおののいたけれども、何のことはない日本のサクランボの方が日本人の味覚に合う様で、輸入サクランボと国産サクランボは別物として扱われているのが現状です。