霜害対策で徹夜です。2022年4月19日

遅霜を警戒

この時期、すごく注意しなければならないことがあります。遅霜による霜害です。

2021年は、霜害によって山形県全域で大被害を受けました。

これも意外なことに、実は温暖化が関係あるのです。

まだ夜間に霜が降りる可能性がある時期に、日中の気温が上がってしまうので、サクランボが勘違いして花芽を早く付けてしまいます。早く蕾を付けたがゆえに霜にやられてしまうというのが近年の傾向です。

サクランボの花は、-1℃に3時間以上さらされると、雌蕊(めしべ)が壊死してしまうので結実することが出来なくなります。とってもナイーブなんです。

今日の天気は快晴だが……

2022年4月19日

今日の天候は快晴。こういう日の放射冷却による夜の冷え込みが、霜を発生させる可能性があるんです。

当農園から月山方面を望むと

 

月山が霞んで見えます。空中に水蒸気が多い事を意味します。午後になってやや寒くなってきました。心配です。

天気予報で、最低気温の予想が2℃以下になると、当農園では霜が降りる可能性が出てきます。

外気温1℃で3時間放置すると、雌蕊が痛む危険性が大幅に増加します。

今日から明日の天気予報の結果は、最低気温予想2℃。霜害の注意喚起も出ました。

去年の二の舞いは避けなければなりません。

霜対策で徹夜でした

霜への対策としては幾つか方法があるのですが

シートで被う
薪を燃やす
煙で被って温度が下がるのを防ぐ、地表を冷やさないように煙の層をつくる
風を送る温度が下がるのを防ぐ、防霜ファンで風を回して霜を防ぐ設備
水を霧状に散布して表面に薄い氷を作る…そうすることで中までは凍らない。(水分が凍って潜熱を放出することを利用して新芽を0℃に保つという方法)
防霜資材で根本を覆う

 

受粉作業に備えて、もう既にハウスの覆いを外してしまっているので、5番目の方法を採用。

スプリンクラーの水が届かない所では燃焼材を燃やして気温の低下を防ぎました。

徹夜のかいあって

徹夜で霜対策のかいあって何とか乗り切ったので一安心です。

闘いが済んだ後の朝日がすがすがしい。

山形県の発表によると、近隣の農園の平均で「佐藤錦」の約2割、「紅秀峰」の約一割に霜害が発生したとのこと。

全体的な収量への影響は少ないだろうとの予測でした。

今年も美味しいサクランボをお届けしたい

霜の対策以外にも、梅雨による実割れや強風による倒木、収穫期の台風被害など手間暇かかるのがサクランボ。

昔は「サクランボは博打」と言われるほど天候に左右される作物でだったんです。

収穫したときから劣化が始まる果物でもあるので出荷時期の忙しさは過酷です。

手間暇がかかりますが、それ故生産者としては愛しさもひとしおと言うもの。

今年も元気に育ってほしい。「精魂込めて作ったサクランボをお客様の基に届けたい」と思うことしきりです。

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